可愛いなんてバカらしい

重なる影

何分くらい泣いていたんだろう。


いつの間にか寝てしまっていた。


いい夢を見た気がする。


「ん.......」


「ぁ!起こしちゃいましたか?」


気がつくと俺は生徒会長の膝枕で寝ていた。


「ぅわぁ!ご、ごめん!俺、その、えーっと....」


「だ、大丈夫ですよぉ!泣いてたことは誰にも言いませんので....!」


生徒会長は赤面で優しく笑った。


「ぁ、ありがとうございます...。俺、カッコ悪いなぁ。女の子前で泣いちまうなんて.....。」


特に生徒会長の前で.....あぁぁぁぁ....


「いいえ、カッコ悪くなんかないですよ!沢谷くんの新しい一面が見れて嬉しかったですし....」


生徒会長は再び赤面になり、目をそらす。


なんて可愛いんだろう。


俺まで赤面になる。


「私、沢谷くんのこともっと知りたいです...!」


純粋かよぉぉぉぉ。


あぁぁぁ俺の理性よ、耐えてくれよぉおおお!


「俺のこと?いいよ♪なんでも聞いてよ!」
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