可愛いなんてバカらしい
え?


嫌じゃないって.....つまり、受け入れてくれた?


「私、沢谷くんの"彼女"ですよ?」


「う、うん...」


生徒会長は真っ赤な顔になって熱い視線を俺に向けた。


「もう一回して.....下さい....」


生徒会長から誘ってくれてる。


そんなの......もう止めてやれねぇよ。


俺の彼女さんは、本当にいちいち可愛いなぁ。


生徒会長の背中に腕を回して、俺はもう一度キスした。


可愛い声を出す生徒会長がすごく愛しくてもう一度.....何回も唇を重ねた。


「んん....沢谷く.....ん」


生徒会長が俺の名前を呼ぶ。


もう理性なんてものは俺の中になかった。


「きゃっ」


生徒会長を押し倒して、首にキスする。


「ちょ、沢谷く....ん!ダ、ダメだよ...!こんなところで....」


「大丈夫だって....誰も来ないよ...」


こんな教室、よっぽどのことがない限り立ち寄らない。


そう確信した上で生徒会長を抱く。


「ふ~ん。誰も来ないとは限らねぇよ?俺みたい覗いてる奴もいるんだぜー」


突然の第三者。


二人は驚きのあまり、咄嗟に正座をし、謝った。


「「すいません!」」


咄嗟に謝ったが、ドアのところに立っているのは、先生とかではなく、声的に一人しかいねぇ。


くっそぉぉ、今からって時に....。


しかも、こいつにバレたとなると話は丸く収まらねぇ。


「どうするつもりだ.....?万里」


万里の拡散の早さは尋常じゃねぇ。


学校で浮遊男女となると生徒会長のイメージはガタ落ちだ....。


「万里!頼む!この事は誰にも言わないでくれ....!」


とりあえず、一か八か言ってみるしかないよな。


でも、こんなことで万里が折れるなんてことはまぁ、ないだろう。


くそっ。


どうすれば....。


「言わねぇよ。」


「頼むよっっっ!......っえ?」


「だーかーら、黙っててやるっつってんだよ。」


はぁ?


何の風の吹きまわしだ?


万里、熱でもあるんじゃ....。



「なんだよ、その顔は。
本気で嫌なことはしねぇよ。
それに....」


「?」


「な、な、なんでもねえよっっっ!」


また赤面。


何なんだこいつ。


でもまぁ、話は丸く収まった。


万里も案外いい奴なんだなぁ。


「ありがとな!万里!見直したぜ」


「ば、バカじゃねぇの!俺は別に..」


真っ赤な顔で万里はその場を去っていった。


「なんだあいつ?」


「須依くんってもしかして...」


「ん?何?」


「んー、やっぱりそんなわけないかぁ。勘違いかも。なんでもないよっ」
< 65 / 72 >

この作品をシェア

pagetop