メッセージのかけら

梨乃side

入学してから、数日たった。
けど、友達ができていない。
正確に言うと、私が作ろうとしていないのだろう。

喋りかけてくれる優しい人達に、そっけない返事しか返すことしかできず、離れていくばっかりだった。

おまけに、クラスの男の子二人にこっちを指さしながら笑われる最悪の日だった。

「はぁー…。」

私はため息をついた。

「どうしたの？」
と返事が返ってきて、私はびくっとした。

誰にも聞こえていないはずのため息なのに、どうやら聞こえていたようだ。

目の前には、ポニーテールをした可愛い女の子がいた。

驚いた私は、返事を返せずにいると
「あっ、ごめんなさい。
私は、同じクラスの蓮 花恋。よろしくね！あなた は？」

私とは正反対のしっかりした女の子だった。

「私は、笹山 梨乃。」

「りのちゃんか！よろしくね！」

そして、私と花恋は友達になった。