AM1:30
深夜、ドタンバタンと物凄い音がして目が覚めた。
階下から祖父の怒鳴り声も聞こえる。
あぁ、またか。
正直なところ、面倒臭い。
祖父は怒ると手がつけられなくなる。
だいたい原因は祖母で、たまに手を上げることもある。
放っておきたいけれどそうもいかない。
仕方なく降りてみると、台所で祖母が泣いている。
傍で祖父が何やら喚いていた。
「なに?どしたの?」
「お前には関係ない!早く寝ろ!」
一喝されてもこんなにうるさきゃ眠れるはずもない。
「だいたいお前は何度言っても分からんやっちゃな!」
祖母の前髪を掴んで引きずる祖父を慌てて止めた。
「もうやめなよ。痛いよそんなことしたら。」
「うるさい!お前は出て行け!俺に口を出すな!」
突き飛ばされて食器棚に頭を打ちつけた。
「いっ…」
角にぶつけたようで、額をさすると血が出ていた。
余りの痛みにすぐに起き上がれない。
さすがに祖父も熱が冷めたか、くそっと吐き捨て部屋を出て行った。
「ふぅ…ばあちゃん大丈夫?」
泣きながら頷く祖母は、たまらなく哀れに見えた。
「ごめんねよみちゃん。」
小さな声が震えている。
見ていられなくて家を出た。
夜の路地を川添いに歩く。
初夏の夜は静かで、風が心地よい。
河原に降りて寝そべると、星が綺麗に見えた。
こういう時、悲しむものなんだろうか。
泣くもんなんだろうか。
どれが正しい感情なのか分からないけど、いつも何も感じない。
涙なんて出ないし、怒りも湧いてこない。
ただ、きっと死ぬまでああやって祖父は暴力を振るうんだろうと思うと、祖母が哀れで仕方なかった。
階下から祖父の怒鳴り声も聞こえる。
あぁ、またか。
正直なところ、面倒臭い。
祖父は怒ると手がつけられなくなる。
だいたい原因は祖母で、たまに手を上げることもある。
放っておきたいけれどそうもいかない。
仕方なく降りてみると、台所で祖母が泣いている。
傍で祖父が何やら喚いていた。
「なに?どしたの?」
「お前には関係ない!早く寝ろ!」
一喝されてもこんなにうるさきゃ眠れるはずもない。
「だいたいお前は何度言っても分からんやっちゃな!」
祖母の前髪を掴んで引きずる祖父を慌てて止めた。
「もうやめなよ。痛いよそんなことしたら。」
「うるさい!お前は出て行け!俺に口を出すな!」
突き飛ばされて食器棚に頭を打ちつけた。
「いっ…」
角にぶつけたようで、額をさすると血が出ていた。
余りの痛みにすぐに起き上がれない。
さすがに祖父も熱が冷めたか、くそっと吐き捨て部屋を出て行った。
「ふぅ…ばあちゃん大丈夫?」
泣きながら頷く祖母は、たまらなく哀れに見えた。
「ごめんねよみちゃん。」
小さな声が震えている。
見ていられなくて家を出た。
夜の路地を川添いに歩く。
初夏の夜は静かで、風が心地よい。
河原に降りて寝そべると、星が綺麗に見えた。
こういう時、悲しむものなんだろうか。
泣くもんなんだろうか。
どれが正しい感情なのか分からないけど、いつも何も感じない。
涙なんて出ないし、怒りも湧いてこない。
ただ、きっと死ぬまでああやって祖父は暴力を振るうんだろうと思うと、祖母が哀れで仕方なかった。