AM1:30
夏休みが明けてから、1度だけ兄が再び会いに来た。
私はもう逃げなかった。
兄は変わった私を見ても、何も言わなかった。
「よみ、父さんと母さんが…」
「離婚するんでしょ?」
「知ってたのか?」
「うん。お父さんに聞いた。」
「そっか。よみは俺と一緒に母さんのとこに行こう。」
なんで?そんなの母が許すわけない。
礼央くんも分かってるくせに。
「あたしはお父さんの方に行くよ。もうそう答えたから。」
「ダメだよみ。俺と一緒に行こう。な?」
どいつもこいつも。ふざけてる。
あたしはもう、昔みたいに何も言えないだんまりの馬鹿ではなくなっていた。
「礼央くん。なんでそんな意地悪言うの?よくそんな、理子さんと一緒に暮らそうなんて言えるね。」
初めて兄にたてついたかもしれない。
「理子さんはあたしといたら死にたくなるんだよ。あたしがいるから毎日イライラするんだよ。あたしはね、理子さんに嫌われてるんだよ!礼央くんとは違うんだよ。」
兄は何も言わなかった。
代わりに私を抱きしめて、ごめんなと呟いた。
だけど。私はそれを振り払った。
「謝らないでよ。全部あたしが悪いんだから。離婚だって、あたしのせいでしょ?あたしさえいなきゃ、よかったのにね。」
笑って言った。
兄はそれ以上何も言わなかった。
私はもう逃げなかった。
兄は変わった私を見ても、何も言わなかった。
「よみ、父さんと母さんが…」
「離婚するんでしょ?」
「知ってたのか?」
「うん。お父さんに聞いた。」
「そっか。よみは俺と一緒に母さんのとこに行こう。」
なんで?そんなの母が許すわけない。
礼央くんも分かってるくせに。
「あたしはお父さんの方に行くよ。もうそう答えたから。」
「ダメだよみ。俺と一緒に行こう。な?」
どいつもこいつも。ふざけてる。
あたしはもう、昔みたいに何も言えないだんまりの馬鹿ではなくなっていた。
「礼央くん。なんでそんな意地悪言うの?よくそんな、理子さんと一緒に暮らそうなんて言えるね。」
初めて兄にたてついたかもしれない。
「理子さんはあたしといたら死にたくなるんだよ。あたしがいるから毎日イライラするんだよ。あたしはね、理子さんに嫌われてるんだよ!礼央くんとは違うんだよ。」
兄は何も言わなかった。
代わりに私を抱きしめて、ごめんなと呟いた。
だけど。私はそれを振り払った。
「謝らないでよ。全部あたしが悪いんだから。離婚だって、あたしのせいでしょ?あたしさえいなきゃ、よかったのにね。」
笑って言った。
兄はそれ以上何も言わなかった。