AM1:30
太陽さんは、私を限りなく優しく抱いた。



きっとこの人は経験も半端ない。


とにかく気持ちよくて、頭が全然回らない。


何も考えられない。


「…っく…ぁ……」


「何我慢してんの。…なぁよみ。俺に全部任せて。俺のこと信じて。絶対お前のこと楽にしてやるから。」


耳元で、低い声を聞いた。





あぁ、これで私はバージンじゃなくなるのか…


なんかもうよくわからない。


自分が自分じゃないみたい。






甘い空気に完全に酔っていた私の頭は、その直後に一気に冷めることになった。




「太陽!やべーことに………あ、ゴメン…」

突然部屋の扉が開いて、布団の中に飛び込んだ。


「おいコラ…レイてめぇ……殺す…」

「え、あ、ゴメンって!違うんだよ!勇太が酔って暴れてて…!ベランダの手すりにぶら下がってんだよ!」

「……落ちりゃいーだろクソ!お前も勇太もマジ殺す。」



怒りに震える太陽さんは、服を着ろと一言言って立ち上がった。


部屋を出ていく2人の声が聞こえなくなったところで布団から顔を出す。


なんだろう…複雑な気分。

冷静になってみれば、これでよかったのかもしれないとも思うけど。




先ほどの行為を思い出し、一気に顔に熱が溜まっていくのがわかった。


恥ずかしい!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!




毛布に顔を押し付けたまま、一人でしばらく悶えていた。


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