Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編



いろいろと詰んだ。そんな気がしたのに、その日の昼には驚く結果が待っていた。


私の動画の再生回数は徐々にうなぎ登りとなり、コメント欄には歯に衣着せぬ言葉が並ぶ。

案の定“わははは、思ったより情けないな”“ドジッ子だ”なんて、凹みそうなコメントもあった。


だが、“思ったより親しみやすい人だな”“一生懸命なのがわかったよ”などと好意的なコメントもあった。


無論、中にはもっと酷い誹謗中傷の類いもあった。ちょっとしたことが気に入らず、バッシングしたい輩はどこにでもいる。

だが、それに対して反論や擁護がドイツ語で次々と並ぶ。その現実が、私にわずかな勇気と希望を与えてくれた。


『パッシィ兄弟があなたのインスタグラムやTwitterやFacebookの公式アカウントを作りました。今までは王室の公式サイトのみでしたが、やはり時代はそういったもので情報発信せねばならないということでしょう』


アルベルトの言葉に、私は素直に頷いた。


『そうだな……今までは不得手だからと触れずにいたが、もはや無視できない影響力がある。国内メディアに先んじるには、やはりネットに頼るのが一番だろう』


パッシィ兄弟は既に先日の取材について、いろいろと呟いているらしい。私に代わって。


おそらく、私が書くより遥かに戦略的かつ効果的に。計算しつくされた文章を流しているのだろう。


既にフォロワーが1000人近くにのぼる、と聞いて流石だと彼らに任せることにした。


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