Schneehase~雪うさぎ
身代わり王子にご用心番外編
対決2
ベルンハルト城の国王陛下の居間に居る私は、祖父王と母上に囲まれテレビ画面を見つめる。
当然だが、定刻通りに番組は始まった。
本来ならば私の密着取材で人となりを伝える趣旨の報道特番。だが、実態は私を引きずり下ろすためのバッシング特番として構成されていた。
それを知ることができたのは、パッシィ兄妹のおかげで。
彼らが所属するのはどんな組織かは知らないが、その力で番組内容を事前に把握し内容の差し替えを指示できた。
その件に関しては宮内庁次官のフランクスを通じて祖父王にも知ることとなり、こうしてともに番組を視聴する流れになった。
まず、オープニングはいつものCGを使ってヴァルヌスの特徴を伝えるもの。それから始まるのが、今日の番組内容についてのスポット映像。
始まった、と画面を食い入るように眺める。
まず、予告通りに私の映像が流れる。たしかこれは帰国間もなく病院を慰問した時のものか。
それから短く次々と出たのは、私の公務に関しての映像。どうやら、私の日常に関しては予告通りに流すつもりらしい。
そして、次に出たのは。
醜悪に顔を歪めたシュトラウス公爵のアップだった。