Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編



『本日19時よりTK放送局にて放送された件において、ヴァルヌス政府としては大変遺憾ながら公式に事実として認める。関わった者の処遇は公の場で、すべてをオープンにし決定する。相当な数の高官や政治家の処分が予想されるが、どうか国民の皆様及びマスコミ各社は混乱することなく事実を受けとめ、いつも通りご自分の責務を果たすことのみに集中していただきたい。

第一王子 カイ·フォン·ツヴィリング』


これは公式発表の第一弾。そして、第二弾として初めてタヌキ……シュトラウス公爵の名前を挙げた。


放送された時にはまだ疑惑に関わる者の名前は伏せられてはいた。だから言い逃れできぬよう、公式発表とともに犯罪に関わった者たちのリストをマスコミ各社に送った。


おそらく、私の会見から帰った時点でマスコミも独自に調べある程度の内容は把握しただろう。だから、それに強力な支援をする。


無論、マスコミの第一目標がシュトラウス公爵となるように細工しておいた。


子飼いと言うと語弊があるが、親しくしている新聞社と出版社にはより詳細に流しておく。


今は、夜の9時。明日の朝刊の一面を差し替えるには、十分間に合う時間だ。


きっとこの疑惑で大いに賑わうだろう。


それを想像するだけで口元が緩むが、あのタヌキが大人しくこの先制攻撃を受け入れる訳がない。


案の定、シュトラウス公爵を始めとする貴族院の連名で反撃を始めてきた。


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