Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編

雪菜~アルベルト5






必ず会いに行く――。


その約束を胸に雪菜は日本へ、私は宮廷へと帰った。


“今度は旅費を自分で貯めてからいくからな”


雪菜から初めて届いたメールには、そんなことが書いてあった。こちらを頼ろうとしない姿勢がまったく彼女らしい。


“まだあたしは人間として半人前だし、独立した大人とは言えなかった。苦手な人間関係を改善して、人に慣れないとそっちでは暮らせない。大人しく待ってろよ。
――あんたの庇護に入れば、確かに楽だろうな。
あんたのことだから、きっと何不自由なく暮らさせてくれるだろ。
けど、な。それで終わっちまったらただのバカだ。考えナシのノータリン。中身がなんもないすっからかんの人間になっちまう。
今まであたしは甘ったれてた。人間が苦手なのを過去や他人のせいにして、自分は可哀想って浸って終わり。それは確かに楽な生き方だけど、それじゃあ何の進歩もない。

あたしは、今のままじゃダメなんだよ。大人になりきれてないあたしじゃ、あんたの近くにはいられない。
だから今、桜花っていうやつと友達になっていろいろ勉強中だ。
まだまだ不得手なことは多いが、その分やりがいはある。
時間はかかるかもしれないが、ちゃんと待ってろよ。
他の女にうつつを抜かしたら、鼻フックしてやるから覚悟しろ。
じゃあな。”


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