Schneehase~雪うさぎ
身代わり王子にご用心番外編
日本人だらけの別荘行きに、どう見ても外国人である金髪碧眼のアルベルトが同行できないのは計算の上。せっかくの桃花との再会を邪魔などされたくない。
やつの説得は骨を折ったが、どういう手を使ったか桂木が手を回したお陰で許可を得た。その代わり、同年代の護衛を何人か紛れ込ませるのに同意せねばならなかったが。
もちろん、私も人前に出る時は眼科で処方して貰ったカラーコンタクトレンズを装着してるし、毎日染まるカラーシャンプーで常に髪も染めている。 それに気付かれないために、他人をあまり寄せ付けないのだが。なぜか最近女子が何かと近づくようになってきた。
別荘行きでも桂木のつてでバスを使ったが、席順を巡ってかなりの女子が火花を散らしたらしい。私は何の関心もなかったから、どうでもよかったが。
そして――別荘に着いてまだかと悶々と待ちわびた結果。遠目に桃花の姿をとらえたのが、昼過ぎのことだった。