生意気な年下の彼
(なんでイんだよ。つーか何してんだ?)
 
 ちらりと騒ぎの原因となっているテレビを盗み見ると、現実にいたらアイドルが天職であろうイケメンが甘い言葉を口にしていた。
 
(ゲームやってんだ。姉ちゃん好きだよな、こういうの)
 
 冷蔵庫から目当ての飲み物を見つけた和真は、そのまま口をつけようとしてふと手を止めた。
 家族以外が飲むかもしれない可能性に気づき、コップを探し移し替える──その時だった。
 
「和真、あんたいきなりキスできるタイプ?」
 
 と、それはまるでゲリラ雷雨のように、突如降って湧いた質問だった。内容の威力もまさにゲリラ雷雨。和真は質問者である姉の顔を凝視して固まり、やっと出た答えは「──は?」の一言だった。
 
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