南くんの秘密。
名乗られたらどうしようとヒヤヒヤしたけど、運よくそれは免れた。
「本当にありがとうございました」
買っているもの自体が少なかった為、あっという間にお会計まで終わり、そそくさと立ち去ろうとした時
「佐々木さん」
背後からかかった声。
あたしは肩がとび跳ねた。
聞こえてないよね?ママに。
聞こえてたとしても、それはあたしのことだって分からないか…
……ほんとは佐々木じゃないんだし。
ママはその通りなんでもない様な顔をして、カゴを荷物台まで運び終えていた。
――そして振り返ると…