南くんの秘密。
そして南君がしっかり部活に出たのを見届けた後、あたしは南君の家に急いだ。
「お邪魔します」
玄関を一歩入ると、何やら甘くていい香りが漂ってきた。
バターと砂糖が溶けた様な甘い匂い。
「良く来てくれたわね。今ね、シュークリームの生地を焼いてたのよ。もうすぐ焼きあがるから上がって上がって」
玄関にはきちんとスリッパが用意されていて、進められるがままにあたしはそれに足を通した。
「わぁ~いい匂い!」
リビングに入ると、部屋全体に甘くて香ばしい香りが広がっていた。
「たまにね。趣味で作るのよ。甘いもの好き?」
「はいっ!大好きです!」