南くんの秘密。



「本多って、南がお母さんと映画に行った現場を見た先輩の彼氏の弟なんだよ…」


これまでは表に出回ることなく、最小限のところにとどめられていたこの事実が……
どうしてこんな形で…

それにしてもひどすぎる。

見たわけでもなく、何も知りもしないくせに!


まだ南君は登校してきてない様子。

早く消さないとっ――そう思った時、


無情にも前の入り口から南君が入って来て…


シーン……


教室内が静まり返った。


このただならぬ様子に、南君も一瞬呆気にとられたような顔をした後


「蒼斗……これ……」


いつも南君とつるんでいる1人の男子が、少し引きつった顔で黒板を指さした。



< 119 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop