南くんの秘密。
先ほどの南君の問いかけに返事をした。
どっと噴き出た汗で、背中はびっしょりでもう冷たくなってきていた。
「おかしいなぁ…」
そう言って首を傾げる姿が視界の端に映る。
あたしは心臓がバクバクして、今この瞬間に姿を消してしまいたいくらいだった。
それでも
「この絵は、美術を選択してる人の分だけだけだからいないのかも…」
「そうだけど――、部活の先輩に聞いても分かんないみたいで…」
「クラス多いし、これだけの人数いるから分からないって事も…ほら、あたしだって卒業するまでに学年全員を知る自信なんてないし」