南くんの秘密。



あたし、あの時なんで偽名なんて使っちゃったんだろう。


そもそもお母さんに近づくなんて姑息なまねをして。

正々堂々と正面から勝負していれば良かったんだ。


色んな感情が涙になってが溢れてきた。


簡潔に事の内容を美帆にメールすると、次の休み時間彼女は保健室まで飛んできた。


「どうなっちゃってるの!?」


美帆もこの非常事態にかなりの困惑顔。


「もう……どうしていいか分からない……」


布団から顔だけを覗かせた状態で美帆に泣きついた。


美帆は、あたしと南君のお母さんとの関係について「まぁ楽しそうでいいんじゃない?」と呆れながらも話を聞いてくれていた。

告白作戦のことを言ったら「奈々にしてはよく考えた!」と褒めてもくれた。


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