南くんの秘密。
でも。
もし、南君が“佐々木”という人物がいないのを突き止めたら…
それは同時にお母さんにまで嘘が分かってしまう。
「あの南が女に関心を持ったと思ったら、それが奈々が演じてる架空の人物だなんて」
さすがの美帆ももうお手上げ状態で隣のベッドに腰かけた。
「来週もね、行くことになってるの」
「南んち?」
「うん。その日がやっとガト―ショコラを教えてもらえる日なの…」
その言葉に"あ"…と行く理由を理解した様な顔を美帆が見せた。
「やっと告白する日が迫って来てたのにね…」
美帆があたしの肩に手を掛ける。