南くんの秘密。
南君の隣が息が詰まるなんて――
それからは緊張しながら過ごす毎日だった。
佐々木さんの話題にいつ触れられるかビクビクして。
でも「佐々木さん見つかった?」ってあたしが聞かない事を不自然に思われないか、そんなところまで気を回してもう胃潰瘍になりそうだ。
「やっぱり見つからないんだよ」
教科書とノートを合わせてトントンと揃えながら南君が言った。
ドバッ…と穴という穴から汗が噴き出したかと思った。
「さ、佐々木さん…だっけ?」
噛みながらもなんとか口にする。
でもやっぱり目は合わせられない。