南くんの秘密。
「ワリィ。こんな話つまんねぇよな?」
気分を切り替える様に南君が言う。
「そんなことないよ。ちょっと驚いただけ」
「驚いた?」
あたしは頷く。
「あ、そっか。俺に好きな奴なんて…って思ってんだろ?」
頷いた理由は確かにそれもあるけどね。
「だからさ、どうしても探したいんだ――…」
窓の外に目を向けて、少し遠い目をする南君にあたしはもう胸がはちきれそう。
あたしだって分かるくらい、それは“恋する目”だから…