南くんの秘密。
「もしかしたら、3年生の間違いかもよ…」
ああ。
こんなえせフォローを入れているようじゃ、ますますカミングアウトなんて出来っこない。
どんどんドツボにハマってく気がする。
「そうかなぁ」
南君の頭の中はもう“佐々木さん”一色という感じだ。
あたしも人のこと言えないけど、南君は最近ボーっとしていて心ここにあらずという状態が続いている気がする。
それはマザコンだと陰で囁かれ、女の子からの人気が低下していることが原因なんかじゃない。
むしろ初めからそんなこと全く気にも留めてない様子。
理由は唯一つ。
佐々木さんの謎が解明出来ないからだね…
だからそれと同じように、あたしの心も日を追うごとに重くなって行った。