南くんの秘密。
絶体絶命
「このくらいですか?」
「もうちょっと。角が立つくらいまで頑張って」
あたしは今、卵白とグラニュー糖を混ぜ合わせるのに悪戦苦闘していた。
しっかりと泡だてて固いメレンゲを作ることがコツなんだとか。
右手が疲れて左手に変えても、右利きのあたしに力なんて出るわけないし。
くそーと思いながら、夢中になってメレンゲを作った。
お母さんは卵黄の担当。
グラニュー糖と生クリームを合わせるだけだから断然楽そう。
それから薄力粉やココアチョコなどを混ぜ合わせ型に入れてオーブンへ。
「結構重労働でした」
お菓子を焼いている間は後片付け。
それと同時にお母さんは夕食の準備に取り掛かる。