南くんの秘密。



“佐々木さん”が消えれば、そのうち南君も佐々木さんを忘れてくれるかもしれないし。

これ以上偽り続けてこの家には来れない。


「おばさん」


もう今日で最後にします…そう言おうとした時――



ガチャ。



え?


音にひき寄せられて首を振る。

お母さんも。


音の出所はリビングの扉の様で、外の空気の変化によって少し開いていたドアが閉まった様だった。



…風かな?

と思った瞬間



バンッ。


今度は勢いよくその扉が開いた。



そしてそのドアノブを握っていたのは……


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