南くんの秘密。
「あれ、佐藤何してんの?」
ああっ……終了だ。
「え?何言ってるの?こちら佐々木さんよ。ほら前から話してた」
おばさん――――…
「はぁ…?いや、クラスメイトの佐藤だよ」
「えっ?クラスメイト?佐藤…さん?」
そう言ってあたしを指さした南君。
お母さんは戸惑った声を出して、あたしを見た。
ああもう、どうしよう。
「ああ、あの……」
シドロモドロになりながら、必死に言い訳を考える。
…でも何も出て来ない。
そしてあたしがとった行動は
「ごめんなさいっ!!」
一言そう大声で謝ると、ソファに置いてあった鞄をひったくる様にして取ってこの家を飛び出した――