南くんの秘密。
バレタ。
もう一貫の終わり――
もう走らなくていいのに
追いかけてくるわけなんかないのに
あたしはその足を止めることが出来なかった。
バス停も通り越してただ走って……
「ハァ…ハァ…」
ひたすら走り続けた後、立ち止る。
そして体を折り曲げて膝に手を置きながら、今まであたしがしてきたことの重大さを改めて感じた。
お母さん…すごくビックリした顔してたな…
結局、あんなに良くしてくれたお母さんまで裏切っちゃった。
もうお母さんはおろか、南君にすら会わせる顔がない。
そのまま膝を折って冷たいコンクリートの上につける。
風が強くて気付かなかったけど、頬が濡れていることを今知った。