南くんの秘密。
どこからこの速度で走ってきたのかは知らないけど、美帆はあたしの前に着いた時には息切れを起こしていて
「ハァ…ハァ…ハァ……っん」
まずは呼吸を整えるのに一苦労の様子。
「あんねっ……っ」
喋り出そうとするとやっぱり酸素が足りないらしく、詰まる。
…こんなんだったら、普通に歩いて来ても同じじゃん。
「まぁまぁコレでも飲みなよ」
さっぱり話が見えないあたしは、さっき一緒に購買に買いに行ったパックのお茶を差し出した。
もちろん、ストローをはずして差し込む所までしてあげて。
「サン…キュッ……」
少し呼吸を取り戻し、ゴクゴクと喉を潤す音を聞きながら、あたしはようやく目の前の水色のバンダナを解き始めた。