南くんの秘密。
あたしの好きな人は南君だったことも
南君のお母さんだと知って意図的にお母さんの前に現れたことも
南君にあげるつもりでガト―ショコラの作り方を教えてもらったことも
ぜんぶぜんぶ、あたしの厭らしい下心から生まれたものだと、正直に話したんだ――
「おばさんね、本当に楽しかったの。佐々木…佐藤さんとお喋りして一緒にお菓子を作って」
怒ってよっ。
「娘が出来たみたいで嬉しくてね」
なんでっ…
あたしはあんなにひどいことしてたのに。
優しく明るく声を掛けてくれたお母さんを騙してたのに――