南くんの秘密。
「待って…っ」
だからあたしも慌てて教室を飛び出し、南君の後を追いかけた。
すぐに追いかけたつもりだったのに、廊下にも階段にも南君はいなくて。
「早いよ…」
あたしは息を切らしながら、グルグルと階段を周り降り昇降口まで辿り着いた。
ちょうど下校時刻ということもあって、昇降口は人だらけ。
「南君どこっ」
あたしは上履きのまま外に出て、南君の姿を探す。
すると、5、6メートル先の人の波の中に埋もれているところで。
「南君!!」
あたしはその背中に叫んだ。