南くんの秘密。



「待って…っ」


だからあたしも慌てて教室を飛び出し、南君の後を追いかけた。


すぐに追いかけたつもりだったのに、廊下にも階段にも南君はいなくて。


「早いよ…」


あたしは息を切らしながら、グルグルと階段を周り降り昇降口まで辿り着いた。


ちょうど下校時刻ということもあって、昇降口は人だらけ。


「南君どこっ」


あたしは上履きのまま外に出て、南君の姿を探す。


すると、5、6メートル先の人の波の中に埋もれているところで。


「南君!!」


あたしはその背中に叫んだ。


< 157 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop