南くんの秘密。
あたしの体からは、何か殺気立つ特異なものが放たれていたのかもしれない。
ジリッ……
女子達は後ずさりする。
それに構わずあたしはまた距離を1つ縮め、言った。
「いい加減にしなさいよ!」
1年だか2年だか3年だか知らない。
でもそんなの関係なく、あたしは喰ってかかった。
「お母さんが好きで何が悪いのよっ!!」
その一言で辺りは静まり返った。
校門へと急いでいた人達の足が止まったのも分かる。
でもあたしは止まらなかった。
「あんた達っ…お母さんをなんだと思ってんの?毎日ご飯を作ってくれるのは誰!?家を綺麗にしてくれるのは誰!?電気をつけて帰りを待っててくれるのは誰!?」