南くんの秘密。
「プッ…」
聞き終わると南君は吹き出した。
「スゲ―よな、その発想。お母さんから攻めて行こうだなんて」
「怒って…ないの?」
「怒ってる」
「……」
「ウソ。佐藤だから、許す」
そう言うと、あたしの髪をクシャクシャっと撫でてくれた。
嬉しくて、あたしはようやく心の底から笑顔になる。
晴れて南君の彼女になれた気がして。
「じゃあいただきます」
南君は美味しい美味しいって食べてくれた。
……当たり前だよね。
南君の好きなものを、好きな味で作ったんだから。