南くんの秘密。



「今度の週末どっか行こうか」

「ほんとっ!?」


突然のデートのお誘いにあたしは声が上ずった。

南君の彼女に合格して、ものの15分足らず。



こんなにも彼女を実感できる瞬間が早く訪れるなんて。


「ああ、佐藤の好きなとこ行こう」


そんなことを言ってくれる南君からは、マザコンの"マ"の字も見当たらないほど。


「う~ん。初デートだしそれっぽいとこに行きたいな~」

「遊園地でも、映画でも、どこでもどうぞ」

「じゃあっ、映画!!」

「おしっ、映画決定!」



けど。





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