南くんの秘密。
「ふわぁ~~~」
ようやく酸素が吸えた……と、あたしは美帆の元へ駆け寄るなり大きく深呼吸。
お母さんの前では呼吸をするのが精一杯なくらい緊張して、無我夢中だった。
多分顔なんて相当引きつってたんだろうな。
「お疲れお疲れ~。なんか喋ってたじゃん。何?南のこと?」
そんなこと、埃のカケラも思ってない癖に軽口を叩く美帆。
あたしがどんな想いで緊張の対面を果たしたか知らない癖に!
「そんな話するわけないじゃない!」
「なんだぁ~。自分のことアピって来たのかと思った」
「あのねぇ……」