南くんの秘密。



「5分もかからないよ」

「じゃあ素通りするだけなら……」


ちゃっかりその話に乗っているあたしが居た。


今度は美帆は自転車を押して、あたしもその横について歩いて行った。

既に足は筋肉痛が始まっている感じ。

とてもじゃないけど、もう自転車の後ろに立つのは無理だ。


「そうそう、南のお父さんて海外赴任してるみたい」

「海外!?」


あたしは驚いて足を止める。


「うん。兄弟もいないでしょ?だから長いことお母さんと2人だって言ってたなぁ」

「そうなの!?」

「言われてみればそれがマザコンになる原因だったのかもね」

「なんで家族で行ってないの?海外なんてちょっと鼻が高いし、あたしならほいほい行っちゃいそうだけど…」


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