南くんの秘密。



「ねぇ……」

「はい」

「これからちょっと時間ある?」

「え?」

「さっきタイムセールで野菜の詰め放題があってね。私そういうの燃えちゃうタイプで。ふふふ。息子と2人暮らしなのについ買っちゃって。もし良かったら少し貰ってくれない?」


そう言って、パンパンに膨れ上がった袋をお母さんが掲げた。


これはもしや……


「家、すぐ側なのよ」


うわぁぁぁ!!

南君のお家に行けるの!?


あたしの心は躍りだした。

この間みたいに、不審者みたいに覗くのではなくて、家主であるお母様に誘われたんだから。


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