南くんの秘密。
これは願ってもないチャンス。
予想外の展開だ。
あたしはすっかり舞い上がり『是非行かせて下さい!』なんて変な回答をしてしまい、言った後それはおかしな日本語だと気付いた。
野菜を分けてもらうことじゃなくて、家に行くことだけを強調してしまったのだから…
「自転車取って来るからここで待っててくれる?」
少し可笑しそうに笑ったお母さんに、あたしは恥ずかしくて小さく頷いた。
……美帆っ!
ついにあたしここまでこぎつけたよ!
お母さんに連れられて……
二度目となる南君の自宅前。
ここまで来て思った。
南君がこの中にいるかもしれないということを。
部活…だけど万一って場合もあるし。