南くんの秘密。



きっと"2年の佐々木さん"だったから、お母さんは色々話してくれたんだ。

あたしが南君のクラスメイトだと言ったら、あそこまで情報は漏洩してくれなかったはずだから。


失態はさておき、南君の知られざる姿を知れただけでも大収穫としよう。


もうポジティブに考えるしかなかった。


相変わらず美帆には『バカ』だの『アホ』だのを連呼される毎日で、当然南君とは何も進展もないまま時だけが過ぎた。


もちろんあたしはあれ以来あのスーパーには行っていなかった。



…もう目的がなくなったから。

計画はパーだ。


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