ナイト!
「お帰りなさいませ、凛様」
「今日の予定は?」
「19時よりーー」
物心ついた時には両親は大富豪が住まうドバイに移住していた。
あたしには兄と姉がいて、あたしが小学生の時までは三人で暮らしていたけど、中学に上がると同時に、各々別の生活になった。
ロイヤル・イーストホテルのオーナー部屋は、あたしが中学に上がってからの住まい。
外国のお姫様が住むようなバスルーム付きのお部屋。
ここをオーナー部屋と呼んでいいのかすら危ういけど、あたしに与えられたのがこの部屋だからオーナー部屋なんだろう。
と言っても、このホテル自体、あたしの“所有物”なんだけれども……。