ナイト!




小さい頃に子供を置いて日本を離れた両親だけど嫌いじゃないし、兄や姉とは頻繁に連絡とるから寂しいわけでもない。


家族が嫌いなんじゃない。




あたしが東雲から逃げたかったのは、別の理由。



「ーー以上になります」



マネージャーから今夜の予約を聞き、身支度をする。



「それと別件で、23時よりーー」

「そう、わかった」




楽観的で身勝手な両親は自分の子供に中学に上がると同時に持ち株を渡した。



ホテル王であり、株式会社ロイヤル・イーストの会長でもある父が事実上経営に携わってるのは、ドバイに所有する全世界一の超高級高層ホテルのみ。

社長であり父の弟でもある叔父は、父のサポート。


ロイヤル・イーストホテルの22箇所は兄が所有し、父が立ち上げた新プロジェクトのホテルは姉が全て所有し、日本にある2箇所のロイヤル・イーストホテルはあたしが所有する。



< 116 / 574 >

この作品をシェア

pagetop