ナイト!
昔話をしよう。
あたしは生まれながらに東雲の事業に携わることが決まっていた。
そんなあたしが入った学校は、由緒正しき奥方を育てる、白零女学院。
家柄はもちろんのこと、生粋のお嬢様学校。
校則も厳しければ、自由も許されない。
礼儀作法には厳しく、美術品の暗記はもちろん、歴史、文化、政治、ありとあらゆる知識を覚え、清く正しく美しく育てられる学校。
裁縫や調理実習など一般家庭の奥様が習うようなことは一切せず、家事には一切手をつけない、上級家庭への奥方を輩出するために育てられる学校。
あたしは初等部入学とともに白零での生活が始まった。
それが当たり前だと思っていた。
でも本当は、あたしはここに入学する必要はなかったのだ。