ナイト!
ーーーー…
「凛様、お忙しい中ありがとうございます」
「はい、で?」
「こちらが資料になります」
「ありがとう」
ーーー“あたしの代わりに今日来るVIPの対応してくれない?”
お姉ちゃんからの電話はそれだけだった。
「凛様にはご休暇中なのに、大変申し訳ないことを」
「あなたが謝ることはないでしょう、総支配人。それに姉も着たくても来れない状況なんですから」
アメリカに出向いてるお姉ちゃんは、ハリケーンによる飛行機の欠航に不運にも遭遇してしまった。
遅延でも動きはしたけど、ここに来る前の立ち寄り先のホテルでトラブルに巻き込まれ、そこから飛行機飛ばしてもVIPが来る時間には間に合わない。