ナイト!
ここがどこなのかもわからない迷子のあたしは、彼についていくしかなくて。
「ここは…?」
「旧図書館。今の図書館が西棟にあるため学校の地図にも載ってないけど、全校生徒なら誰でも知ってる場所だよ」
「へぇ…」
「誰も手をつけないような古い資料とかは2階にあるけど、ここはほとんど一階しか使われてない」
中世ヨーロッパの二階建ての見た目で、それよりも家の横幅が広くしてある旧図書館。
「で、でもここって勝手に入っていいんですか!?」
「うん。使用許可は理事長からもらってる」
また、理事長……。
「さあ、入って」
「おじゃましま、す…」
開き戸を開けてもらい、中へと踏み入れる。