ナイト!
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「…では、こちらへどうぞ」
お姉ちゃんが進めていた計画のことを何となく聞いていたから、取引はスムーズに終わった。
「いやぁ、さすが東雲様です」
「ありがたきお言葉です」
フランス語で話しかけられても、主要国の言葉は理解できるくらいはマスターしているから、ほとんど通訳いらず。
「ここは本当に素晴らしい!まるで理想郷のようだ。是非ともお父上にそうお伝えください」
「はい」
リゾートホテル事業を拡大するための、大切な資金提供者。
そしてこの人はこの取引が成立すると、東雲の傘下になる。
傘下になったとしても、明らかに今よりも優遇されるとわかっての取引であるから、この人はトップから降りることを苦に思わない。
むしろ東雲の傘下に下れば、それなりの地位が用意されている。