ナイト!
東雲が世界でホテル事業を成立させているのには、敵対心を向けられないことにある。
win-winな関係が一番いいのだ。
もし裏切られたら、それなりの制裁を下すこともできるけど…。
「あちらはどうなっているのかな?」
「あちらはカジノエリアになりますが、ご覧になられますか?」
「是非とも!」
大きなホールの上の3つある廊下の反対側には、理事長が気に入ったらしいカジノエリア。
総支配人が廊下を誘導し、あたしは後ろからついていく。
それまではよかった。
「……凛様、あちらを」
「っ…!?」
それからは、ハラハラだった。
「ここは、お下がりいただいても…」
「バカなこと言わないでっ…」
小声で隣にいるここのホテルのマネージャーに言われるけど、いまここであたしがいなくなったら、クライアントに怪しまれるでしょ!!
廊下の奥から見慣れた姿の5人が歩いている。
このままだと、廊下で鉢合わせしてしまう。