ナイト!



誰かの掛け声で、三人がプールに飛び込んで行く。



「へぇ…」



三人とも、綺麗なフォームで泳いでいく。


バンッと、先に手をついたのは、なんと仁くん。


一番小柄なのに、二人よりも速かった。




「こんな分かりきった勝負にのるマサって、相変わらずバカだよなぁ…」



ベンチに足を組んで座りスマホを触っている順平くんは、プールには目もくれず言った。



「分かりきった勝負?」

「そう、僕たちの中で運動神経良いのって仁だし。マサはただの喧嘩馬鹿なだけ」

「仁くんが運動神経良いのって意外だよね…」



ジムに行ってるって話も聞くし、家は武道家とも聞いてはいたけど。



「人は見た目じゃないってことだよ。ね、結衣?」

「あぁ…」



ニコッと笑って南雲くんに話を振る順平くん。



< 232 / 574 >

この作品をシェア

pagetop