ナイト!
理事長には昨日のこともあるし、こうしてあたしが無事なのだから、坂口さんはなにも言わないだろうな。
「この部屋、理事長のお部屋ですよね?」
「おおそうじゃ。よくわかったの」
「さすがにわかりますよ」
どこの部屋だろとは思ってたけど、装飾品のグレードが高いから、なんとなく理事長に割り当てられた部屋だろとは思ってた。
「ワシも眠たくてな、隣の部屋で寝かせてもらうぞ」
「こっちのベッドじゃなくてもいいんですか?」
「さすがに病人を退けてまで寝るワシではない」
病人って…。
あたし、別に病人ではないんだけど…。
でもこんなに優しい理事長も珍しいから、なにも突っ込まないでおこう。
先に部屋から出て行った理事長。
残ったのは、理事長について来ていた茅野くん。