ナイト!
最後の研修を終え、空港にたどり着くと、生徒たちとは別の飛行機に乗るから別のゲートに向かう。
「帰りは坂口殿と飲むから、孫たちとは別のジェットじゃ!」
そうあたしにこっそりと言ってきた。
坂口さんと飲むのか…。
あの人たち昨日のあたしの事があったって言うのに、笑顔だったのはこの為か。
あの人たち、理事長に釣られたな…。
「なぁ、ばあちゃん」
「なんじゃい?」
「さっきからずっと、ばあちゃん睨んでるやつがいるんだけど」
「ああ、気づいておるわい」
空港についたあたりから理事長を睨む視線は気づいていた。
極道の妻でもある理事長が気づかないわけでもないけれど、特に気にしていない様子。
「結衣、」
「はいはい…」