ナイト!




最後の研修を終え、空港にたどり着くと、生徒たちとは別の飛行機に乗るから別のゲートに向かう。



「帰りは坂口殿と飲むから、孫たちとは別のジェットじゃ!」



そうあたしにこっそりと言ってきた。



坂口さんと飲むのか…。

あの人たち昨日のあたしの事があったって言うのに、笑顔だったのはこの為か。


あの人たち、理事長に釣られたな…。



「なぁ、ばあちゃん」

「なんじゃい?」

「さっきからずっと、ばあちゃん睨んでるやつがいるんだけど」

「ああ、気づいておるわい」




空港についたあたりから理事長を睨む視線は気づいていた。

極道の妻でもある理事長が気づかないわけでもないけれど、特に気にしていない様子。



「結衣、」

「はいはい…」



< 251 / 574 >

この作品をシェア

pagetop