ナイト!
「そうじゃ東雲殿、会長にこの学園内を案内してもらうとよい」
「いいんですか?」
「よかろ。わしが許さんじゃからの」
「ありがとうございまーす」
なんか、勝手に決まってるし。
「しゅっぱーつっ!」
「ちょっ、」
ーーお姉ちゃんっ!
ソファーから立ち上がり、立ってたあたしの腕を掴むと、一目散にドアへと向かう。
はぁ…。
こうなったお姉ちゃんは、誰にも止められない。
「あ、生徒はっけーん!」
お姉ちゃんは廊下に出て誰かを見つけると、駆け足で向かって行く。
もちろんあたしも腕をつかまれてるから、ついて行ってる…。
「なに部外者を入れちゃってるんだよ…」
「あ、その声は茅野くん?」
「俺以外に誰が見える」
「ですよねぇ〜」
そもそも理事長室に近寄る生徒は、あたしと茅野くん、南雲くん以外はほとんどいないだろう。