ナイト!
「凛お嬢様も恋煩いとお聞きしましたよっ!」
「ブっ…!」
お仕事前に、メイドに髪を結ってもらっていた時に、衝撃的な一言を浴びた。
思わず飲んでた紅茶を吐き出しそうになった。
「な、なんで!?」
「この前、坂口さんがみなさんに言われてましたよ。お相手は南雲家のご子息とお伺いしてます!」
ーーおい、坂口っ!!!
「はぁ…」
あの人のことだ、きっと笑いながらみんなに言いふらしたんだろう。
きっとこのホテルにいる東雲に仕える者、そしてホテルの従業員には言ってるはず。
「我々も喜んでいますよ」
「なんでよ…」
「だってあの南雲のご子息ですよ!」
「そうよ、あの南雲よ…」
東雲に関わる人間ならば、南雲と東雲の関係なんて、一番初めに教えられるでしょうに…。