ナイト!
「ーー止める権利くらい、欲しかったわよ…」
何知らない彼らに言っても、問題なのは、結局、どうにもできないあたし自身。
あたし自身のトラウマのせい。
もう、誰も傷つけたくない。
誰も、困らせたくない。
あたしために、働くひとを、どう裏切れというのだろう。
あたしの一言が、何万人、何十万人、何千万人に影響してくるのだから。
ただそれを、彼らに言ったとて変わらないのに。
「……それで、自分の気持ちは捨てるのかよ」
新しい声が聞こえる。
「茅野くん…」
ドアのところに背を持たれ、こちらに顔だけを向けてくる。
「茅野、お前…」
さすがに彼の登場には驚いたのか、4人は目を開いてる。
それに彼が口を出すとは思わなかったんだろう。