ナイト!
・3
ーーーー……
もし神様が願いを叶えてくれるのであるならば、
地位も、名声も、権力も、何もいらない。
ただ、南雲くんのそばにいせてください。
車の中では、なぜか落ち着いていた。
「チッ、おせぇなぁ」
「学校から都内だと、時間かかるし、今の時間が一番混むだろ」
「仕方ない」
「凛ちゃん、大丈夫?」
「…………」
彼らの声が聞こえる。
けれど、何も聞こえない。
目を閉じて、思い出す。
このドキドキは、初めて仕事で交渉をした時とおんなじ。
大丈夫、大丈夫。